ご自宅に眠っている古い百科事典。「もしかして、50年前の百科事典は売れるのでは?」と、淡い期待を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。親が大切にしていた平凡社 世界大百科事典の処分に困っていたり、40年前の百科事典の置き場所に悩んでいたりするケースは少なくないでしょう。
百科事典の買取をブックオフで検討したり、あるいは古い百科事典の寄付を考えたりと、その方法はさまざまです。中には、ブリタニカ国際大百科事典の初版の価値や、ジャポニカ 百科事典の買取、平凡社 百科事典の買取の可能性について調べている方もいるはずです。
この記事では、古い百科事典が売れるのかという疑問に真正面からお答えし、価値がつくケースとそうでないケース、そして適切な処分方法まで、専門的な視点から詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 古い百科事典が売れにくい具体的な理由
- 価値が期待できる百科事典の例外的な特徴
- ブックオフなどでの買取や寄付の現実
- 損をしないための適切な処分方法と買取のコツ
50年前の百科事典売れるという噂の真相
- 40年前の百科事典も価値は低いのか
- なぜ古い百科事典の処分が難しいのか
- 百科事典の買取はブックオフで可能か
- 平凡社世界大百科事典の処分と注意点
- 古い百科事典の寄付は受け付けているか
40年前の百科事典も価値は低いのか
結論から申し上げますと、40年前の百科事典も50年前のものと同様に、資産価値がつくことは極めて稀です。
その最大の理由は、百科事典に記載されている情報の多くが古くなってしまっているためです。科学技術の進歩や歴史的な出来事の更新、社会情勢の変化など、40年という歳月は情報を陳腐化させるには十分すぎる時間といえます。現代では、最新かつ正確な情報をインターネットで瞬時に得られるため、古い情報の集合体である百科事典の需要はほとんどなくなってしまいました。
もちろん、例外は存在しますが、基本的には「発行年が新しいほど価値が下がる」という古書の一般的な常識は、百科事典には当てはまらないケースが多いと認識しておくとよいでしょう。
なぜ古い百科事典の処分が難しいのか
古い百科事典の処分が難しい理由は、単に価値が低いからだけではありません。主に3つの物理的・実用的な問題点が挙げられます。
処分を難しくする3つの要因
1. 重量と体積
百科事典は全巻揃えると数十キログラムにもなり、非常に重くかさばります。個人で運び出して古紙回収に出すだけでも一苦労ですし、家の中で大きなスペースを占有し続けることも悩みの種です。
2. 情報媒体としての役割の終了
前述の通り、インターネットの普及により、調べものをする際の第一選択肢ではなくなりました。手軽さ、速さ、情報の鮮度のいずれにおいても、現代のデジタル情報源にはかないません。
3. 再販の難しさ
古書店やリサイクルショップ側から見ても、買い取った後の保管場所に困り、かつ買い手が見つかる可能性が極めて低いです。そのため、積極的に買取を行う業者が非常に少ないのが現状です。
これらの理由から、多くの家庭で古い百科事典は「捨てたいけれど、どう捨てていいか分からない」厄介な存在となってしまっているのです。
百科事典の買取はブックオフで可能か
多くの方がまず思い浮かべるであろうブックオフですが、百科事典の買取については非常に厳しい対応となるのが現実です。
公式サイトでもISBNコードのない本や、百科事典は買取対象外となるケースが多いと明記されています。店舗によっては、状態が非常に良ければごくわずかな金額で引き取ってもらえる可能性もゼロではありませんが、基本的には買取を断られるか、値段がつかない「0円買取」として無償で引き取られると考えた方がよいでしょう。
ブックオフで買取が難しい理由
ブックオフは、買い取った本を再び販売することで利益を得るビジネスモデルです。しかし、百科事典は需要がほとんどなく、広い保管スペースを必要とするため、店舗にとっては「売れない在庫」となってしまうリスクが高い商品です。そのため、積極的に買取を行うメリットがないのです。
もし持ち込みを検討する場合は、事前に店舗へ電話で問い合わせて、百科事典の買取が可能かどうかを確認することをおすすめします。
平凡社世界大百科事典の処分と注意点
日本の百科事典の代名詞ともいえる「平凡社 世界大百科事典」ですが、これもまた処分の対象となることがほとんどです。
数十年前に高価な価格で販売されていたため、捨てることに抵抗を感じる方も多いかもしれません。しかし、発行部数が非常に多く、古書市場では供給過多の状態にあります。そのため、古書としての価値はほとんど期待できないのが実情です。
処分方法としては、以下の選択肢が現実的です。
- 古紙回収(資源ごみ): 自治体のルールに従って、紐で縛って出すのが最も一般的な方法です。費用がかからず、環境にも配慮できます。
- 不用品回収業者への依頼: 他の不用品とまとめて処分したい場合や、自力での運び出しが困難な場合に便利です。ただし、費用が発生しますので、事前に見積もりを取りましょう。
ご両親が購入した思い出の品で、どうしても捨てられないという気持ちもよく分かります。しかし、現実的な価値と処分方法を知っておくことが、次のステップに進むための第一歩です。
古い百科事典の寄付は受け付けているか
「捨てるのは忍びないから、誰かの役に立つなら寄付したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、これもまた難しいのが現状です。
公立図書館や学校の図書室では、古い百科事典の寄付を断っている場合がほとんどです。その理由は、情報の古さや保管スペースの確保が難しいことにあります。
一方で、寄付を受け付けている可能性がゼロではありません。
寄付先の探し方
福祉施設やフリースクール、あるいは海外の日本語学習者支援団体などで、書籍を必要としている場合があります。ただし、百科事典が本当に必要とされているか、送料は自己負担かなどを事前にしっかりと確認する必要があります。「寄付 本」などのキーワードでNPO団体を探してみるのも一つの手です。
残念ながら、多くの場合は寄付先を見つけることができず、最終的に処分という形になることが多いです。寄付を検討する場合も、過度な期待はせず、見つからなければ処分するという心づもりでいた方がよいかもしれません。
50年前の百科事典でも売れる例外的なケース
- ブリタニカ国際大百科事典初版の価値
- 平凡社百科事典の買取が成立する条件
- ジャポニカ百科事典の買取価格の相場
- 価値のある百科事典を見分けるポイント
- 専門の買取業者に依頼する利点
ブリタニカ国際大百科事典初版の価値
ここまでは厳しい話が続きましたが、全ての百科事典に価値がないわけではありません。その代表格が「ブリタニカ国際大百科事典」の初版です。
特に、1972年に発行されたTBSブリタニカの初版(通称:黒ブリ)は、その装丁の美しさや希少性から、古書コレクターの間で根強い人気があります。これは情報媒体としてではなく、一種の骨董品・美術品としての価値が見出されている例です。
買取価格は本の状態に大きく左右されますが、全巻揃っていて、日焼けやシミ、破れなどがなく、別刷の付録や索引なども完備していれば、数千円から数万円の値がつく可能性も十分にあります。特に革装丁の豪華版などは、高価買取が期待できるでしょう。
平凡社百科事典の買取が成立する条件
一般的に価値がつきにくいとされる平凡社の百科事典でも、買取が成立する例外的なケースが存在します。
注目すべきは、通常版ではなく限定版や特装版です。例えば、特定の記念に発行されたものや、豪華な装丁が施されたバージョンは、発行部数が少なく希少価値が認められることがあります。また、戦前に発行された古い版(例:大百科事典)などは、資料的価値から買取対象となる場合があります。
「うちのはどうだろう?」と思ったら、奥付(本の最後にある発行日や版数が記載されたページ)を確認してみてください。もし初版や限定版といった記載があれば、専門の古書店に相談してみる価値はありますよ。
ただし、これらのケースでも本の状態が査定額を大きく左右します。良好なコンディションを保っていることが高価買取の絶対条件です。
ジャポニカ百科事典の買取価格の相場
「小学館の学習百科事典ジャポニカ」など、子ども向けの学習百科事典も、基本的には高価買取は難しいジャンルです。
学習指導要領の改訂などにより、教育内容も時代と共に変化するため、情報が古くなってしまうのが主な理由です。しかし、1960年代〜70年代頃に発行された初期の版で、かつ状態が良いものは、レトロな挿絵やデザインに価値を見出すコレクターが存在します。
買取が成立したとしても、その相場は全巻セットで数百円から数千円程度となることが多いです。こちらもやはり、全巻が揃っていること、書き込みや破れがないこと、付録などが残っていることが査定のポイントとなります。
価値のある百科事典を見分けるポイント
ご自宅の百科事典に価値があるかどうか、ある程度ご自身で判断するためのポイントをまとめました。査定に出す前に、ぜひチェックしてみてください。
発行年と版数
基本的には新しいものより古いもの、特に戦前や1970年代以前に発行された初版に価値がつきやすい傾向があります。
種類と装丁
ブリタニカの初版や、特定の限定版・特装版(革装丁など)は要チェックです。一般に広く普及した通常版は、価値がつきにくいです。
保存状態
これが最も重要です。日焼け、シミ、カビ、ページの破れや折れ、書き込みなどがあると、価値は大幅に下がります。書庫などで大切に保管されていたものが理想です。
付属品の有無
全巻揃っていることは大前提です。それに加えて、月報、索引、専用の書棚などが揃っていると、査定額がアップする可能性があります。
チェック項目 | 価値が期待できるケース | 価値が期待しにくいケース |
---|---|---|
百科事典の種類 | ブリタニカ初版、限定・特装版 | 一般普及版(平凡社、学研など) |
発行年 | 戦前、1970年代以前の初版 | 1980年代以降 |
保存状態 | 日焼けやシミがなく、新品に近い | 書き込み、破れ、カビがある |
巻数・付属品 | 全巻揃い、月報や索引も完備 | 巻数が不揃い、付属品がない |
専門の買取業者に依頼する利点
もしご自宅の百科事典が「価値がつくかもしれない」ケースに当てはまるなら、リサイクルショップではなく、古書や全集を専門に扱う買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
専門業者には、百科事典の価値を正確に判断できる知識と経験豊富な査定員が在籍しています。また、独自の販売ルートを持っているため、一般的な市場では需要がないような本でも、コレクターなどに販売できる可能性があります。
専門業者を利用するメリット
- 適正価格での査定: 百科事典の古書的価値や希少性を正しく評価してくれます。
- 便利な買取方法: 自宅まで査定・買取に来てくれる「出張買取」や、段ボールに詰めて送るだけの「宅配買取」を利用できる業者が多く、重い百科事典を自分で運ぶ手間が省けます。
- 無料査定: 多くの業者では査定料や出張料が無料なので、気軽に価値を調べることができます。
価値があるかもしれない貴重な百科事典を、二束三文で手放してしまうのは非常にもったいないことです。処分を決定する前に、一度専門家の目で見てもらうことを強く推奨します。
総括:50年前の百科事典売れるは本当か
この記事の要点をまとめました。ご自宅の百科事典をどうするか、最終的に判断する際の参考にしてください。
- 50年前の百科事典は基本的に売れにくい
- 理由は情報の陳腐化とインターネットの普及
- 40年前の百科事典も価値は同様に低い傾向
- 処分が難しいのは重量と保管スペースの問題
- ブックオフなどでの高価買取は期待薄
- 平凡社世界大百科事典も一般的な処分が基本
- 図書館などへの寄付は断られることが多い
- 例外的にブリタニカ国際大百科事典の初版は価値あり
- 限定版や特装版は古書的価値を持つ場合がある
- 平凡社やジャポニカも特定の版や状態で買取対象に
- 価値を見分けるには発行年や装丁を確認
- 全巻揃いで状態が良いことが査定の重要ポイント
- 正確な価値を知るなら古書専門の買取業者が最適
- 処分方法は古紙回収や不用品回収が現実的
- 捨てる前に一度専門業者に相談する価値はある